高齢化が進む中、社会保障費の増大が著しい社会情勢において自助・互助の促進は必須課題であると思われます。今回推薦させていただくTANOは、その自助・互助を促進するために非常に有用なシステムです。
TANOのコンセプトにもある「楽しむ」ことをしながら自然と体を動かしたり、声を出したりすることが出来るので、利用者の方から「楽しい」「もっとやりたい」という声が多く聞かれています。
特別なコントローラーなど使用せず、シンプルなシステムが多いため、介護職員の関りが少なくても使うことができます。「利用者が自分達の力で、楽しむことができる」というのは、今後の超高齢化社会においても新たなシステムの形として非常に魅力的だと思います。
ペッパーや介助用ロボットは施設で導入したが、楽しむジャンルのロボットは新規的だ。
本来のリハビリメニューにつなげていくツールとして、「ここに来れば楽しい」とのきっかけとなる、簡易リハビリや楽しみの提供になればと考え、モニターを希望。モニターは認知症で物忘れがあり、毎回「TANO」の記憶はないが、「こんなの初めて」と新鮮な気持ちで楽しみ、一方で体はコツを覚え、プログラムの得点が回を増すごとに上昇した。実施中、画面風景からモニターの思い出話も広がった。意外な一面を知り、施設スタッフとモニターの親近感も増した。操作側も楽しみ、その名の通り、「TANO(楽)」しさ最上級であった。初回はモニターの声も小さかったが、終盤には発声プログラムで大きな声を出し、他者を応援する等、モニター間の連帯感も高まった。操作そのものは簡単なので、今後タッチパネルを連携させれば、利用者がプログラムを選択し、自立操作していくことも可能かもしれない。
患者にとって目安になり、また動機付けにもなり有効である。
入院・外来、年齢、身体の麻痺の程度、コミュニケーション障害の種類のいずれによらず、使用者 の適応範囲は広くあると考えられた。特に視覚的に患者が発した声がモニターできる点は、患者にとって目安になり、また動機付けにもなり有効である。
プログラムはとても面白そう。老健施設入所中から、退所後にデイケアで継続していく等の使用も想定できる。在宅で個人が利用する場合には、個人で目標設定し、モチベーションを維持する作りこみが必要になる。またネットワーク回線で誰かとつながっている環境を作る事がリハビリテーションの継続に求められる。地域でコミュニティを作るとか、イベントを行う等の取り組みに発停していくのかもしれない。これにより、地域で引きこもりや自殺者が減少するような効果も期待できれば良い。被災地や認知症向けの利用も可能性があるのではないか。
ゲーム感覚でのレクリエーションを好む高齢者や障害のある方などの身体機能の活性化や脳の活性化が図れる点と子供と一緒に楽しむことができることから多世代での関係を構築していくことで自立した生活につながると期待できる製品として評価できます。モニター評価時には「頭の回転が良くなりそう」「楽しみながら脳を使うことや身体を動かすことができた」といった声や、介護者からは「体が脳を動かすきっかけとなりうる」といった声が寄せられました
コントローラーなどを一切使わないことから、歩行が困難な車椅子の方や寝たきりの方でも運動の疑似体験ができ、また、声に反応した遊びを提供することで普段は大声を出す機会の少ない高齢者に自然と発声する機会を与えることができる。
様々なコンテンツにより、誰でも簡単に、大勢で、楽しく続けられる製品となっている。介護スタッフが行うレクリエーションの要素をコンテンツに盛り込むことにより、介護現場における人件費削減とスタッフの労力を軽減することができる。
明確なコンセプトを持って開発されており、ソフトの拡張性と現場サイドの声を充分に反映した相互コミュニケーションツールとしての有効性が高く評価された